根本的に「核燃料サイクル政策」を見直す時期です。単なる賛成・反対の二極論で論じるのではなく、地球環境やエネルギー問題全般を包括的に考えた議論をしてもらいたい。

 原発のある町だけが悪く言われるのは、もう沢山です!


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◎プルサーマル中断も 玄海原発所長あらためて示唆
                                  (佐賀新聞:2010年03月05日)

 東松浦郡玄海町議会原子力対策特別委員会(中山昭和委員長)が4日開かれ、玄海原子力発電所の村島正康所長がプルサーマルの運転状況などを説明した。フランスで輸送準備に入っているMOX燃料20体の後は、燃料調達の見通しが立っておらず、中断する可能性があることをあらためて示唆した。

 九州電力は、現在装てんしているMOX燃料も含めフランスで36体を製造。青森県六ケ所村の燃料製造工場(2015年度に完成予定)も製造のめどが立っておらず、村島所長は「途切れなくできるかどうかは、非常に厳しくなっている」との認識を示した。

 このほか、2012年度から工事を計画している3号機の使用済み核燃料貯蔵プールの貯蔵能力増強について、工事の目的や概要、安全対策などを説明した。   

Posted by 昏君 at 14:12Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
◎MOX燃料きょう15日装てん 12日遅れで作業開始
                                 (佐賀新聞:2009年10月15日)

 九州電力は14日、国内初となる玄海原子力発電所3号機(加圧水型軽水炉、出力118万キロワット)のプルサーマルで使用するプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の装てん作業を15日から始めると発表した。佐賀県議会の反発で延期していたが、当初予定より12日遅れの作業開始となる。通常運転復帰は12月上旬の見通し。

 装てん作業は19日までの5日間。3号機の燃料集合体193体のうち約3分の1を交換する中に、MOX燃料16体が含まれる。16日夜に作業現場の状況を報道陣に公開する。

 九電は先月末、3日から装てん作業を開始すると発表したが、プルサーマルの実施延期を求める請願などを審議していた県議会が「審議途中の日程公表は議会軽視」と反発。作業日程を白紙に戻し、延期の状態が続いていた。

 この日は、同社の真部利応社長が古川康知事に電話で作業を始めることを連絡。古川知事が留守茂幸議長に伝え、各会派へ伝達された。

 同社は県庁で会見し、15日から開始する理由について「全体工程を見直し、メーカーの人員手配など総合的に判断して決めた。県議会には、配慮を欠いたことをおわびしている」と述べた。

 装てん作業が遅れたことで、10月下旬の予定だった試運転は11月上旬に、11月中旬の予定だった通常運転復帰は12月上旬にずれ込む見通し。遅れた期間は代替の火力発電で補うため、同社は「一概に言えないが、1日当たり数億円、12日間として十数億円のコスト増」としている。

 装てん後は、国が燃料配置や原子炉の出力を調整する制御棒の利き具合などを確認する使用前検査を実施する。

 MOX燃料はフランスのメロックス社で製造し、5月に玄海原発に搬入していた。現在、九電は新たに20体を製造しており、定期検査に合わせてMOX燃料を増やす。装てんしたMOX燃料は、通常のウラン燃料と同じ3サイクル(1サイクルは約13カ月)使う。

 古川知事は「県議会の審議結果(請願不採択)を踏まえた九電の判断と思う。スケジュールは遅れたが、少しでも早くということではなく、安全に、慎重に作業を進めてほしい」と話した。

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◎「関電基準でも問題ない」 製造会社が九電に説明
                                 (佐賀新聞:2009年10月15日)

 玄海3号機で使うMOX燃料を製造したメロックス社(フランス)に発注したMOX燃料の一部を関西電力が自主検査で不合格としたことについて、九州電力は14日、「メロックス社から『九電の燃料は関電が不合格とした項目と同じ内容もあり、問題はなかった』と説明を受けた」とした。検査内容や数値は明らかにされていないという。

 MOX燃料は、九電は三菱重工業、関電は原子燃料工業を通じ、仏・メロックス社に製造委託している。安全性については国の検査基準があるが、電力会社は品質向上のため自主検査を行い、内容は「商業機密」として電力会社間でも開示されていないという。九電はこれまで「関電がどういう検査で不合格にしたか分からない」としていた。

 九電によると、1日の装てん延期発表後にメロックス社に問い合わせ、九電の自主検査項目に関電が不合格とした項目と同様の内容があることと、その項目で問題がなかったことを説明されたという。

 九電原子力管理部は「国の検査をすべて合格しており、安全性に問題はないと思っている。ただ、不安に思う方たちにきちんと説明するために、メロックス社に問い合わせた」と話した。

 関西電力は高浜原発(福井県)で使用するMOX燃料をメロックス社に製造委託しているが、不合格が出たことで、製造個数を16体から12体に減らすと発表している。

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◎突然発表「議論できぬ」 県議会・一部議員反発し混乱
                                 (佐賀新聞:2009年10月15日)


 九州電力が14日、玄海原発3号機へのMOX燃料装てん日程発表したことに対し、佐賀県議会の一部議員が「発表翌日の装てん開始では、議論の余裕さえない」と反発した。議会運営委員会開催などの対応が遅れたことにも憤り、留守茂幸議長に「今後、議運などに出席しない」と通告、県議会も混乱した。

 議運などのボイコットを通告したのは、民主や社民党などでつくる県民ネット(6人)と共産、公明、市民リベラルの3人。決算特別委員会など今後の議会運営に影響が出る可能性も出てきた。

 装てんの連絡は、議長を通じて議員に連絡された。駆けつけた県民ネットの牛嶋博明代表らは「1日の装てん延期要請は議会の総意だった。今回の対応も、賛否は別として議運などで協議すべき」と、留守議長に議運理事会の開催を要請。発表翌日からの装てんも「九電の自主検査結果も報告がなく、論議の余裕もない」と批判、「議会無視」「自民だけで決めるな」などの怒号も飛ぶ中、議会として再度延期要請するよう求めた。

 留守議長は「議運委員長と連絡を取る」と答えたが、連絡が取れない議員がいたことなどで2時間が経過。しびれを切らした議員が「理事会を含めた議会運営には協力できない」と通告した。

 「議会として要請したことは、議会として対応すべき」とする牛嶋代表に対し、留守議長は「議会としては請願の採決も行い、一定の意思は示している。議運開催のための連絡中に一方的に通告された」と困惑気味に話した。

 一方、プルサーマルに反対する市民団体も反発を強めた。装てん延期を求める要請書提出で県庁を訪れていた「プルサーマルと佐賀県の100年を考える会」の石丸初美さんは「自主検査結果も開示されていない段階での装てんは県民無視。絶対許されない」と憤った。15日には他の団体などにも呼びかけ、県庁で抗議活動を行う。

【写真】MOX燃料装てんに関連し、留守議長(左側)に議運開催などを求める県民ネットなどの議員ら=県議会議長室

玄海町長「安全を最優先に進めて」

 玄海原子力発電所が立地する東松浦郡玄海町役場には14日午後1時半ごろ、九州電力の担当者が訪れ、MOX燃料装てん作業の日程を伝えた。報告を受けた岸本英雄町長は国内初のプルサーマルについて「安全を最優先に進めてほしい」と話した。

 この日は反対する住民らの抗議などもなく、町職員も「安全を第一に進めてほしい」と冷静に対応した。装てんが遅れたことについて、岸本町長は「九電が県議会に配慮が足りなかったことは否めない。自民県議はメロックス社の視察に行くなど理解を深めていただき、敬意を表したい」と述べた。   

Posted by 昏君 at 10:56Comments(0)TrackBack(0)玄海原発

2009年10月14日

明日、装填!

◎【速報】MOX燃料 あす15日装てん 玄海原発
                            (佐賀新聞:2009年10月14日)

 九州電力は14日、定期検査中の東松浦郡玄海町の玄海原発3号機(加圧水型軽水炉、118万㌗)で、15日午前からプルサーマル発電用のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を装てんすると発表した。

 12月上旬ごろに通常運転に復帰し、国内初の本格的なプルサーマル発電を始める。

 九電は先月末、10月3日から装てんする作業日程を公表したが、佐賀県議会の反発を受けて白紙撤回。あらためて佐賀県や県議会に事情説明した上で日程を設定した。当初予定より約半月遅れで装てんすることになる。   

Posted by 昏君 at 20:50Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
◎MOX燃料自主検査結果 県、九電の説明受ける
                             (佐賀新聞:2009年10月10日)

協議終了後県議会に報告、時期は未定
 九州電力玄海原発3号機のプルサーマルで使用するMOX燃料の自主検査項目や結果について、佐賀県は9日、同社から説明を受けていることを明らかにした。協議が終わり次第、県議会に報告するが、時期は未定としている。

 関西電力が国の検査前に実施したMOX燃料の自主検査で「不合格」の燃料が出た問題を受け、県は県議会で九電に自主検査の項目と結果の説明を求め、議会に報告すると答弁している。

 この日、プルサーマル中止を申し入れた日本科学者会議との協議の中で、県原子力安全対策課の田代典久課長が「現在、九電から検査項目やデータの説明を受けている。まとまれば議会に報告する」と述べた。

 また、市民団体のウェブサイトに関電の自主検査項目が掲載されており、県は関電に掲載内容に間違いがないことを確認した。検査項目は「核分裂性プルトニウム含有率」「全不純物総量」など7項目とその他4項目となっているが、どの項目で不合格だったかは明らかにしなかったという。   

Posted by 昏君 at 16:28Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
◎経産相に面会、原子力政策の方針確認へ 古川知事
                                 (佐賀新聞:2009年10月08日)

 国内初となる九州電力玄海原発3号機(佐賀県東松浦郡玄海町)のプルサーマル実施を控え、古川康知事は8日、新政権の原子力政策や核燃料サイクル政策の基本方針を確認するため、直嶋正行経産相に面会したい意向を示した。具体的な日程は未定だが、「できれば通常運転復帰前(11月中旬予定)に会いたい」と述べた。

 民主党は原子力政策について、政策集の中で「安全を第一に、エネルギーの安定供給の観点も踏まえ、国民の理解と信頼を得ながら着実に取り組む」としている。核燃料サイクルについても、使用済み核燃料の再処理技術の確立を図る方針を示している。

 古川知事はこの日の定例会見で「新政権が原子力政策や核燃料サイクルについてどう考えているか。民主党のマニフェストにも必要性が明記されているので大きな方向は変わらないと思っているが、確認することは必要だ」と述べた。直嶋経産相との面会時期については「できれば早い方がいい。通常運転復帰前に会いたいという気持ちを持っている」と話した。

 玄海原発3号機のプルサーマルは県議会の反発を受け、MOX燃料の装てんが延期されている。古川知事は装てん作業の開始時期について「九州電力と実務的なやりとりはしているが、私が判断する段階には至っていない」と述べた。   

Posted by 昏君 at 07:58Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
◎関電不合格レベルMOX、玄海での使用可能性否定せず 保安院
(佐賀新聞:2009年10月08日)


 九州電力玄海原発3号機のプルサーマルで使用するプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料について、原子力安全・保安院は7日、九電の自主検査の数値を把握しておらず、フランスの同じ工場で製造され、関西電力が自主検査で不合格としたレベルの燃料が玄海原発で使用される可能性を「否定できない」という見解を市民団体との協議の中で示した。市民団体は強く反発、関電と九電の自主検査内容と結果が開示されるまで玄海3号機に燃料を装てんしないよう求めた。

 「プルサーマルと佐賀県の100年を考える会」など全国の市民団体との協議で、原子力発電検査課の石垣宏毅統括安全審査官が答えた。「玄海の燃料は国の技術基準には合格している。不合格になるような燃料はないと考える」とも答えた。

 保安院は関電が16体中4体の燃料が不合格だったことを公表した後、九州、四国、中部の電力3社にも聞き取り調査し、不合格品がなかったことを確認したとした。関電の不合格項目や検査データは「商業機密」として国や福井県以外には明らかにされていないとし、九電の自主検査の合否基準や検査数値は「聞いていない」とした。佐賀県の問い合わせには「九電は問題ないとしている」と答えたという。

 市民団体側は「会社間で検査レベルが違っていてはたまらない。九電が合格といえば使えるのか」と批判。「グリーン・アクション」(京都)は「ドイツは不合格問題を受け、電力会社の燃料の安全性を調べている」と指摘、同様の対応を求めた。   

Posted by 昏君 at 11:14Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
◎玄海原発MOX燃料装てん延期 日程公表に佐賀県議会が反発
(佐賀新聞:2009年10月01日)


 九州電力は1日、玄海原子力発電所3号機(東松浦郡玄海町)で実施するプルサーマルについて、3日に予定していたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の装てん開始を延期すると発表した。開会中の佐賀県議会でプルサーマルの実施延期を求める請願を審議中で、九州電力が作業日程を公表したことに「議会軽視」と反発、議会の意向を受けた古川康知事が見直しを申し入れ、九州電力が応じた。



 今後の具体的な作業日程は議会の判断などを踏まえ、あらためて検討する。延期は数日程度とみられるが、11月中旬予定の国内初となるプルサーマルの通常運転は遅れる可能性も出てきた。



 九州電力は9月30日、MOX燃料の装てん作業を3日未明から開始すると発表した。これに対し、市民団体が提出したプルサーマルの実施延期を求める請願を審議している県議会は、この日の議会運営委員会で「唐突な公表は議会の審議を軽視している」「慎重に推進するとした議会決議の趣旨を無視している」などと反発した。



 プルサーマルに反対してきた会派だけでなく、推進の立場の自民会派からも批判が続出。これを受け、留守茂幸議長が古川知事を議長室に呼び、「装てんスケジュールの見直しを九州電力へ申し入れるよう要請する。回答を受けるまで、議会は再開できない」と強い姿勢を表した。

 

古川知事は同社の真部利応社長に電話で連絡し、議会の意向を伝えた。その後、真部社長は「議会の趣旨に沿って見直す」と回答した。



 スケジュールの変更を迫られたことについて、古川知事は「九州電力には議会開会中ということに配慮してほしかった。非常に厳しい議論が交わされており、私としても(開会中の公表について)もう少し考えるべきだった」と述べた。

 

県議会は2日が最終日で、市民団体が全国から寄せられた約44万人の署名を添えて提出したプルサーマルの実施延期を求める請願を採決する。



 九州電力は今回の定期検査で、3号機のウラン燃料集合体193体の約3分の1を交換する予定。新たに装てんする燃料集合体のうち、16体をMOX燃料に置き換える。  

Posted by 昏君 at 21:51Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
◎九電、MOX燃料2日初装てん 玄海原発3号機で
(47ニュース:2009/09/30 17:35 【共同通信】)


 九州電力が、定期検査中の佐賀県玄海町にある玄海原発3号機(加圧水型軽水炉、118万キロワット)に、10月2日からプルサーマル発電用のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を装てんすることが30日、分かった。順調に進めば、10月下旬から段階的に発電を開始。11月中旬にも通常運転に入り、国内初の本格的なプルサーマル発電を始める。

 MOX燃料の装てん作業期間は5日間で、途中10月5日に作業の様子を報道陣に公開する。

 プルサーマルは、原発で通常使うウラン燃料の節約につながるとされるが、毒性が強く核兵器の材料にもなるプルトニウムを扱うなど、地元住民らに安全面で不安感が根強い。運転再開に向け、きめ細かな情報開示が求められそうだ。

 九電は8月末から玄海3号機の定期検査に入り、検査中にウラン燃料集合体193体のうち約3分の1を交換。新たに装てんする燃料集合体の一部、16体をMOX燃料に置き換える予定。

 MOX燃料はフランスで製造され、5月下旬に輸送船で同原発に到着、経済産業省原子力安全・保安院の目視検査に合格した。現在は同原発の施設内に保管されている。

 プルサーマルは四国電力の伊方原発(愛媛)、中部電力の浜岡原発(静岡)も2010年以降に順次開始する見通しだ。  

Posted by 昏君 at 18:03Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
プルサーマル計画:ようやく始動へ 当初予定から10年遅れ、11月に玄海原発で
(毎日新聞 2009年9月29日 東京朝刊)

 原子力発電の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを商業用原発(軽水炉)で利用する「プルサーマル」計画。11月の九州電力玄海原発3号機(佐賀県玄海町)を皮切りに、国内の各原発で順次導入される。政府が推進方針を掲げてから10年以上が経過し、導入開始は当初の予定からずれ込んだうえ、今後の見通しも不透明だ。現状と問題点を探った。【曽根田和久】

 ◆もんじゅの代役

 「前回はこの港で燃料を搬入しながら、未使用のまま送り返さざるを得なかった。今回はなんとか実現したい」。10年からのプルサーマル導入を予定している関西電力高浜原発(福井県高浜町)。原発そばの港で担当者は力を込めた。

 プルサーマルは、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜた「MOX(混合酸化物)燃料」を軽水炉で使用する技術を指す和製英語だ。

 軽水炉の使用済み核燃料を再処理すると、プルトニウムが取り出せる。政府はプルトニウムを高速増殖炉で再利用する核燃料サイクルを原子力政策の基本に据えてきた。高速増殖炉でプルトニウムを使えば、消費した以上の核燃料を得ることが理論的に可能。核燃料サイクルは準国産エネルギーという位置付けだった。

 しかし高速増殖炉の開発は、1995年に起きた原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)のナトリウム漏れ事故で頓挫。プルトニウムは核兵器にも転用可能なため、国際的な監視の目が厳しい。政府は余剰のプルトニウムを保有しないよう、97年に軽水炉で消費するプルサーマル推進を決めた。

 ◆不祥事追い打ち

 当初は「2000年までに3、4基の原発で実施し、10年ごろまでに全電気事業者が実施する」という方針で、関西電力と東京電力が先行導入する予定だった。

 しかし99年、関電高浜3、4号機で使用予定だったMOX燃料に検査データ捏造(ねつぞう)が発覚。01年には東電柏崎刈羽のプルサーマルに対する地元の住民投票で、反対が過半数を占め、東電が計画延期を余儀なくされた。その後も東京電力のトラブル隠し(02年)など原発の不祥事で導入が遅れ、後発のはずの3事業者での導入が先行する結果となった。

 ◆安全性に懸念も

 本来、ウラン燃料を使う軽水炉に、MOX燃料を使うことへの不安もある。使用済みMOX燃料の処分も具体的な道筋は不透明だ。

 小出裕章・京都大原子炉実験所助教(原子核工学)は「プルトニウムはウランより核分裂を起こしやすい。うまく燃えても危険性が増す。MOX燃料を使うのであれば、制御棒の数を増やすなど原子炉の改修工事が必要だ」と指摘する。

 これに対し、関電は「制御棒の能力は低下するが、その影響はわずか」との立場だ。高浜3、4号機でMOX燃料を全体の約4分の1使用した場合、制御棒の能力はウラン燃料だけの場合に比べ約4%低下するという。だが制御棒には余裕があるため、「保安規定の150%の制御能力がある。安全に停止する能力は確保されている」(原子力事業本部)と自信を見せる。

 一方、使用済み核燃料について小出助教は「ウラン燃料に比べて放射線量や熱量が大きく、取り扱いが難しい。使用済みのMOX燃料は再処理すべきでない」と主張する。

 国内では86~07年に、新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市、03年に運転終了)の使用済みMOX燃料29トンを再処理した実績がある。資源エネルギー庁は「仏では使用済みのウラン、MOX両燃料を一緒に処理した例もある」と強調。しかし、長沢啓行・大阪府立大名誉教授(生産管理システム)は「ふげんの燃料は燃焼度が低く、再処理できて当たり前。今後使用される高燃焼度のMOX燃料の技術が確立しているとはいえない」と批判する。

 国の原子力政策大綱は、MOX燃料再処理について「10年ごろから検討を開始する」と記されているに過ぎない。しかも、使用済み核燃料の保管場所さえ決まっていない。同庁は「MOX燃料の再処理は、来年10月予定の六ケ所再処理工場操業後の課題。何十年も先の話だ」と楽観する。計画から大幅に遅れて始まるプルサーマルだが、課題は未解決のまま残されている。

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 <プルサーマルをめぐる主な動き>

 1972年  国の原子力長期計画がプルサーマルの必要性に言及

86~95年  日本原電敦賀1号機と関電美浜1号機で少量のMOX燃料を試験的に使用

   95年  高速増殖炉「もんじゅ」でナトリウム漏れ事故

   97年  政府がプルサーマルを含む核燃料サイクル推進を閣議了解。電事連は「99年にプルサーマルを開始し、2010年までに全国16~18基で実施する」との計画を公表

   99年    関電高浜3、4号で使用するMOX燃料の検査データ捏造判明。計画延期に

 2001年    新潟県刈羽村の住民投票で東電柏崎刈羽のプルサーマル計画に過半数が反対。東電が計画見送りを決定

   05年    政府が原子力政策大綱を閣議決定。核燃料サイクル推進を明記

   08年    関電がプルサーマル計画を再開

   09年 5月 中部浜岡、四国伊方、九州玄海の3原発にフランスからMOX燃料到着

       6月 電事連がプルサーマル計画の目標達成時期を「10年」から「15年」に延期

      11月 玄海3号機がプルサーマル開始予定

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 <プルサーマル導入予定の原発>

《北海道電力》泊3号

《東北電力》女川3号(宮城県)

《東京電力》同社の原発3~4基

《中部電力》浜岡4号(静岡県)

《北陸電力》志賀(石川県)

《関西電力》高浜3、4号と大飯1~2号の3~4基(ともに福井県)

《中国電力》島根2号(島根県)

《四国電力》伊方3号(愛媛県)

《九州電力》玄海3号(佐賀県)

《日本原電》敦賀2号(福井県)、東海第2(茨城県)

《電源開発》大間(青森県、建設中)  

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2009年09月26日

プルサーマル論戦低調

◎玄海町議選終盤 プルサーマル論戦低調

「決着済み」/13人中12人”容認”

 九州電力玄海原子力発電所がある東松浦郡玄海町の町議選が終盤戦を迎えている。国内初のプルサーマルが直前に迫り、新政権の原子力政策に神経をとがらせる新しい流れの中で迎えた選挙だが、プルサーマル論議はほとんど聞こえてこない。立候補者13人中12人が”原発容認派”で「決着済み」「争点にならない」と原発論議を”封印”する一方、不安を抱える町民も地縁血縁を優先する選挙戦になっている。

 「産業の発展に努めます」「教育を充実します」。選挙カーからは、地域振興の訴えが響く。玄海3号機で10月末にも始まるプルサーマルを問う声はほとんどない。12の議席を目指す顔ぶれは、現職10、元職1、新人2。共産党公認の元職以外は原発もプルサーマルも”容認”だ。

 「安全性は何度も議会で確認した」とある現職候補。定数4減の12となった前回選挙では共産議員が議席を失い、原子力政策に関しては”オール与党”になった。2006年2月、プルサーマル事前了解前に核燃料サイクル推進を全会一致で決定。この候補は「すでに決着済み」と強調する。

 町にはプルサーマル受け入れに伴い30億円の交付金が入る。薬草研究事業や次世代エネルギーパークは、この交付金を活用する。別の候補は「この整備をどう地域振興につなげるかを考える段階。民主新政権となり、交付金頼みの財政や今後の原子力政策にも注目しなければ」と話す。

 町民も「原子力」が争点でない人が多い。60代無職の男性は「プルサーマルがうまくいかなければ、町政は混乱する」と安定を重視する。50代の農業男性は「不安がないと言えばうそになるが町議選とは関係ない。親類の候補に投票する」という。人口6600人の小さな町では、血縁や地区代表的な「人間関係」が、投票行動に反映される。

 共産公認の元職は「政権も変わった。不安の声を上げにくい町も変わるべき」と唯一、プルサーマル反対を打ち出しす。「まちづくりには安心・安全が大前提。プルサーマルが始まるこれからのチェックが重要」と訴え、議席奪回を目指している。

 プルサーマル中止を訴える「NO!プルサーマル佐賀ん会」の清流裕子さんは「町財政を原発に頼る町で、簡単に反対を言えない現状は分かるが、論議がないのは残念。原発の問題は玄海町だけのことではない。不安の声も論議してもらえるような、開かれた議会にしてほしい」と話す。

【写真】玄海町議選の選挙ポスター掲示板前で選挙カーに手を振る有権者。プルサーマルや原発論議はなかなか聞こえてこない=東松浦郡玄海町

2009年09月25日更新

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◎玄海町議選、27日投開票 ネットと携帯で本社速報

 任期満了に伴う東松浦郡玄海町議選は27日投票、即日開票される。定数12に対し、現職10人、元職1人、新人2人の13人が立候補、少数激戦となっている。同日午後11時ごろには当落が判明する見通し。

 町にある九州電力玄海原子力発電所の3号機では、10月下旬にも国内初のプルサーマルが実施される見通しだが、論戦の中心は地域振興策。新人2人は引退する現職の地盤を受け継いでおり、前回4票差で敗れた共産元職が議席奪回へ挑む構図となっている。

 投票は午前7時から午後8時まで、町役場、町民会館、保育所「ふたば園」の3カ所であり、同9時から町役場で即日開票される。選挙人名簿登録者数は、5257人(男2599人、女2658人)=21日現在。

※玄海町議選の開票結果は、佐賀新聞のウェブサイト(パソコン)と携帯電話サイトで速報します。

2009年09月26日更新  

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2009年05月05日

玄海町のやりくり

やりくりまちの台所―09市町予算点検
佐賀新聞記事データベースより(2009年04月27日掲載)

〈玄海町〉

 一般会計当初予算は七十二億円で、前年比7・1%の増。歳入のうち玄海原子力発電所関係分が、固定資産税のほか、電源立地地域対策交付金、核燃料サイクル交付金など約四十四億円全体の六割超を占める。
 プルサーマル受け入れに伴う交付金事業では、九州大学と共同で取り組む薬草研究の施設整備と次世代エネルギーパークの実施設計を行う。新たに本年度から五年間、県から一億五千万円ずつ交付される核燃料税交付金は、漁礁や養殖用の大型イカダ設置など水産振興事業に充てる。
 このほか、二〇一一年に供用開始する下水道の北部浄化センターや町・農道など大型のインフラ整備費も計上。有浦、仮屋、牟形の三小学校の来年度統合に向け仮設校舎建設なども進める。(林)

 ◇主な事業◇ 下水道整備事業=8億7483万円▽九州大学共同薬草研究事業=6億7892万円▽次世代エネルギーパーク事業=4086万円

  

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玄海原発:町が描いた夢/10止 上がらない反対の声
毎日新聞(2009/03/17)

 1975年、九州電力玄海原発1号機が玄海町の値賀崎に巨大な円筒の姿を現し、運転を始めた。「これで税金が増えるぞ」。町議長を6期務め、誘致の先頭に立ってきた中山〓(しげき)さん(86)は、そう思いながら1号機を眺めたという。

 「当時は交通の便が悪くてね。工場誘致は不可能。税金が入る仕組みがなかった」。県外の原発を視察し、危険性にも疑問を持たなかった。「国が進めるのだから安全に違いない」。だが3、4号機の増設には反対の構えも見せた。「作戦ですよ」と中山さん。「地元振興名目で、九電から1戸あたり100万円取った」

 一方、反原発の市民団体「玄海原発対策住民会議」副会長で元中学教諭の仲秋喜道さん(79)は「大変なことになった」と1号機を見つめた。玄界灘に突き出した岬は、かつて松林が生い茂り、生徒と遠足で訪れた場所だった。

 仲秋さんは当時、少なかった資料をかき集めて原発について勉強し、県教職員組合の教諭らと反対運動を展開した。だが、最初は集まった人たちも「兄弟や親せきが原発で飯を食うようになると、周囲の目を気にするようになった」。運動は広がらないばかりか、推進派から「反対があればあるほどカネが入る」と感謝されることさえあったという。

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 住民の反対が最初で最後の大きな盛り上がりを見せたのは、81~82年だった。増設が表面化し、農協青年部が中心となって町長のリコール運動にまで発展した。79年には米・スリーマイル島の原発が炉心溶融事故を起こしていた。

 参加した60代の男性は「カネになるからといって何でも受け入れたらいかんと、毎晩集まった」。反対派メンバーの多くは、小さな子供を抱えていたという。

 請求に必要な有権者の3分の1の署名を一時は集めたが、提出直前、本人たちから次々と取り消しを求められた。最終的には29人分が不足し、運動は終息。リーダーの青年は町を去った。

 仲秋さんは「原発は地域振興でなく(原発マネーへの)依存体質を作るだけ。本当の町づくりをつぶす」と指摘する。

 中山さんは「原発のおかげで道路もよくなり、小さな町でも合併しないでいられる」と言う。自宅の応接間。1号機の臨界を記念した町や九電関係者の寄せ書きの故人に線が引かれていた。「昔を知る人も少なくなった」

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 今年11月中旬にもMOX(ウランとプルトニウムの混合酸化物)燃料を使用する全国初のプルサーマルが玄海原発で始まろうとしている。

 仲秋さんは「口には出さないが、進んで賛成という住民はいない」と言う。「住民も原発に慣れっこ」と言う中山さんだが、プルサーマルについては「私なら他でいっぺん使ってから、ここでさせる」と慎重な姿勢も見せる。

 増設に反対した地元の男性は「安全という声も危険という声もあるけん、判断できん。自分の生計を考えるので一生懸命。今はもう考えんごつしとる」。以前の仲間との間でも、プルサーマルが話題に上ることはない。

 MOX燃料を積んだ2隻の運搬船は今月上旬、仏・シェルブール港を後にした。あと2カ月もすれば、この町に到着する。=終わり

 (この連載は関谷俊介が担当しました)  

Posted by 昏君 at 17:05Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
原発のある暮らし:志賀原発・高裁判決を前に--六ケ所村/上
毎日新聞(2009/03/13)

 北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の運転差し止めを住民らが求めた訴訟の控訴審判決が18日、名古屋高裁金沢支部である。停止を命じた衝撃の地裁判決から3年。今も原発53基が稼働し、消費社会を支える現実は変わらない。日々大量の電力を消費する中、誰がリスクを背負っているのか。原子力と暮らすことの意味を知りたいと思い、六ケ所村を訪ねた。【北陸総局・澤本麻里子】

 ◇「核燃」反対し帰郷した農家 無力感…だが行動続け

 突風が雪を巻き上げ、一瞬で視界を遮った。視線の先には、白くて無機質で、巨大な建物群。日本原燃の核燃料サイクル施設で、核のごみ集積地だ。

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 観光農園「花とハーブの里」は、施設の風下にある。経営者の菊川慶子さん(60)が迎えてくれた。

 農園は、両親から受け継いだ実家近くの3ヘクタールほどの畑。冬を除き、農業体験をしてもらうために開放し、泊まり客に自慢の野菜を振る舞っている。

 根っこにあるのは、無駄を省く生活だ。太陽熱温水器で風呂を沸かし、調理はまきストーブを使う。夫に先立たれ、子供たちも大きくなった。独りになると、自然のリズムに沿った生活がしっくりするとつくづく思う。まきストーブの横で、ネコたちが気持ちよさそうに丸まった。

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 集団就職で村を出た。結婚し、関東に住み続けたが、1986年のチェルノブイリ原発事故が人生を変えた。プルトニウムの半減期は2万4000年--。故郷の核燃施設が気になった。「何かしないと」。太陽や地熱エネルギーの技術発展に力を注ぐ道があると思い、90年3月に一家で帰郷した。

 村は、今もしこりが残る核燃反対派同士のいさかいのまっただ中だった。そのまとめ役を買って出た。91年9月、ウラン濃縮用の六フッ化ウランが初めて運び込まれると、1カ月間の抗議のキャンプへ。だが、92年のウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター稼働、04年の再処理工場建設と既成事実が重ねられ、反対運動はしぼんだ。

 運動と同時に始めた無農薬野菜でも思い知らされたことがある。収穫した野菜の販売を生協に初めて頼んだ時、電話の向こうでいぶかしげに問われた。「六ケ所の野菜?」。やはり、みんな怖いのだ。

  ◇  ◇

 反対運動の仲間たちは、他県から訪れる。畑で穫(と)れた色とりどりの野菜を口にしながら、核燃料サイクル施設を話題にする。「ごみ捨て場が決まっていないのに計画を進めて、子供たちに押し付けている」。話は自然と熱を帯びる。

 今年1月、再処理工場内で核燃料サイクルの漏えい事故が起きた。菊川さんたちは先月18日、抗議と再処理事業撤退を求める申し入れ書を抱え、日本原燃へ向かった。何を言っても変わらないという無力感が残るが、続けることに意味があると思っている。

  ◇  ◇

 核燃料サイクル施設の広報担当者に言わせると「この村は農業に向いていない」そうだ。菊川さんは今年の夏、ルバーブというハーブを使ったジャムを売ろうと考えている。本当に農業に向いていないのか、その傲慢(ごうまん)とも思える問いへの挑戦だ。大地の恵みを自分だけでも守っていきたいと思っている。

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 ◆志賀原発2号機訴訟

 金沢地裁は06年3月、国の耐震指針を否定して商業原発では初の運転差し止めを命令。判決後、原子力安全委員会は新指針を策定しており、控訴審が新指針と、新指針に基づく北陸電力の耐震安全性評価の妥当性をいかに判断するかが注目される。

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原発のある暮らし:志賀原発・高裁判決を前に--六ケ所村/下

毎日新聞(2009/03/14)

 ◇安全性強調の日本原燃 PR施設も設け“自己防衛”

 白鳥の越冬地で知られる尾駮(おぶち)沼の周囲は、深い雪に閉ざされていた。休んでいた水鳥が思い出したように羽をばたつかせた。六ケ所村は、手つかずの自然が残る素朴な表情をたたえていた。

 経済効果を見込んで村が核燃料サイクル施設の受け入れを表明したのは1985年。その広大な原野に、日本原燃のウラン濃縮工場や再処理工場が現れた。全国の原発でエネルギーを絞り出した後の使用済み核燃料の集積地である。

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 施設を一望する小高い丘にあるPRセンターに案内された。年間9万人の見学者が訪れるという。緑色で、若葉をかたどった建物。「安全で安定した原子燃料サイクルがこの大地から育ち、大きく伸びていくように」。日本原燃の願いが形になっているらしい。

 「人は年間、自然界からの放射線を2・4ミリシーベルト浴びています。よく覚えておいてください」。広報担当者がぐっと胸を張った。「施設から放出される放射線量は0・022ミリシーベルト。自然放射線の100分の1にも満たないんです」

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 再処理工場は、今秋の稼働を目指して試運転中だ。そこでは、ほの暗い水を張ったプールへと案内された。底には無数の使用済み核燃料が沈んでいる。放射能を弱めるため一定期間、水中で冷却貯蔵されるのだ。「水の中に落ちたとしてもほとんど被ばくしませんよ。無論、ゼロではありませんが」。プール周辺の作業員を見つめ、赤坂猛・広報部長が目配せした。

 再処理工場では使用済み燃料から再び燃料に使えるウランとプルトニウムを取り出す作業を行う。その結果、放射能を含んだごみが発生する。「ガラス固化体」だ。

 一昨年、その最終処分場の誘致に一度は手を挙げ、結局は断念した高知県東洋町以来、名乗りを上げる自治体はない。行き先の決まらない1310本のガラス固化体は今も高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに「中間」貯蔵されたままだ。

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 手渡されたパンフレットにはこう説明されている。「再処理工場は放射性物質が外に出ないよう設計されている」「排水は海水で希釈されるため、周辺への影響はほとんどない」「原発は二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギー」

 太陽光や地熱などの自然エネルギーは、と問う。天候に左右されて出力が安定しない。減った電力を補償するために同規模のバックアップ電源を用意しなければならない。その分、コストもかかる--。日本原燃の担当者が即答し「安定的に確保していく方法を今、現実的に考えなければならないのです」と加えた。

 窓もなく、密閉された施設から外に出ると、雪が夕日に照らされ、あかね色に染まっていた。冷たい風がかえって心地よく、しばらく開放感にひたった。【北陸総局・澤本麻里子】

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 ◆志賀原発のごみ

 日本原燃によると、使用済み核燃料は全国で年間約1000トン発生し、志賀原発(石川県志賀町)からは01年、64体11トンが六ケ所に運ばれたという。低レベル放射性廃棄物はドラム缶(200リットル)で処理するが、300万本処分できるスペースがある。志賀原発からはこれまで計約400本が送られた。  

Posted by 昏君 at 08:24Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
玄海原発:町が描いた夢/9 大金にひかれる周辺
毎日新聞(2009/03/15)

 岸本英雄・玄海町長が今月、「議論すべき時期に来ている」と述べた中間貯蔵施設。07年にスイスの施設を視察し、「それほど危険ではない」とも言う。

 この施設は、青森県六ケ所村の再処理工場でプルトニウムやウランを抽出するまでの間、原発から出た使用済み核燃料を一時保管する。

 だが、「使用済み核燃料が永久に置かれるのではないか」という指摘もある。再処理工場は相次ぐトラブルで稼働が遅れ、工場で使用済み核燃料を加工した後に出る廃液を処分する高レベル放射性廃棄物最終処分場の立地場所も決まっていないためだ。

 その最終処分場。かつて唐津市内の3地区で誘致話が浮上したことがあるが、住民の反対ですべて頓挫した。

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 唐津市内のある地区。65歳以上が4割を占め、基幹産業の漁業の担い手も減少の一途だ。この地区の区長が「高レベル放射性廃棄物」という聞き慣れない言葉を耳にしたのは05年ごろだった。「20~30年は工事があって雇用も生まれる」と他の地区の有力者から持ちかけられた。

 間もなく、説明会が開かれた。一部住民の呼びかけで地元住民約50人が集まり、福岡から来たという人物が処分場について説明した。だが、「生まれ育った土地を手放したくない」と反対の声が強まり、区長も承諾しなかった。

 玄海原発の目と鼻の先にある旧鎮西町串地区でも、01年ごろ誘致話が持ち上がった。当時を知る住民は「『坪5万円で土地を買う』という大阪の業者の話を聞いたが、話がまったく違い、同意書に判も押さなかった」。

 別の地区は03年、唐津市に「処分場の調査地として応募してほしい」と要望書を出した。だが、市幹部が話し合い、要望を拒否。安全性がはっきりせず、市として観光に力を入れているからだ。坂井俊之市長は「応募する意思は今後もない」と言い切る。

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 最終処分場は原発のゴミを、地下300メートルより深い地中に埋める施設。ガラスと溶かしてステンレス容器に入れるが、放射能がウラン鉱石と同じレベルまで減るのに数万年かかる。

 原子力発電環境整備機構(東京)が全国の市町村から候補地を募集し、東北、九州、四国などで誘致の動きが出たが、応募を受けて調査が始まった所はない。

 同機構のパンフレットには巨額の数字がさらりと書かれている。文献調査(2年)だけで年間10億円、建設が決まれば、固定資産税約1600億円。建設や操業に伴う経済効果2兆円以上--。

 処分場誘致は、こうした多額のカネが目当てだと言われる。

 唐津市内で次々と誘致話が浮かぶ背景にも、ブローカーの存在と共に、原発マネーで潤う玄海町への羨望(せんぼう)がある。

 だが、07年の高知県東洋町長選で、応募した推進派の前町長が大敗するなど「経済効果」だけでは支持が得られなくなっている。

 「昔のように本当に貧しい時代でなく、それなりに生活が安定している今、原発やらを新しく造るのは難しいだろう」。玄海原発誘致の旗振り役だった元町議長、中山〓(しげき)さん(86)の実感だ。=つづく  

Posted by 昏君 at 22:04Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
玄海原発:町が描いた夢/8 芽生え始めた危機感
毎日新聞(2009/03/14)

 福岡や鳥取で企業誘致に取り組んできた岩城静三さん(53)が「企業誘致専門官」として玄海町に赴任したのは08年8月だった。岸本英雄町長の肝煎りで新設され、町レベルでは珍しいポストだ。

 「最大の誘致企業」と町幹部が言う原発の存在で、町にはそれまで企業誘致を進める部署さえなかった。

 だが、原発の恩恵は先細りしている。

 同町に入る固定資産税は1、2号機で82年度に約20億円となった後、93年度に約9億円に落ち込む。その後3、4号機増設で再び増え、99年度に約49億円のピークを迎えた。しかし償却資産の価値が年々減り、07年度は約26億円まで下がった。

 岩城さんの最初の仕事は玄海町産業立地促進条例玄海町産業立地促進条例施行規則の策定だった。08年12月議会に提案し、県内のほとんどの市町が3年としている立地奨励金を5年と定めた。条例制定は県内20市町の中で19番目だ。

 工業用水や用地確保もさることながら、最も頭を悩ませるのが、アクセスの不便さだ。「これまで携わってきた地域で最も条件が悪い。それを逆手に取るしかない」。風光(ふうこう)明媚(めいび)な土地を生かせる業種を呼び込み、人材交流で活性化を図り、住んでみたいと思わせる町にしたいという。

 そのためにどうしても必要な条件がある。

 原発マネーで潤ってきた町職員や町民の意識改革だ。「周りから何でもやってもらって快適な生活を得られたら、やる気は起きない」

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 町民にも危機感が芽生え始めている。

 外津(ほかわず)漁協(組合員約70人)組合長の野崎哲雄さん(59)は05年、住民グループ「玄起海(げんきかい)」を設立した。

 当初は海産物や農作物をどうやって都市部に売り込むかが主眼だったが、1年間の話し合いを経て、地元の食材や自然を見直し、町に人を呼び込む方向に転換。地元産の魚をさばいて食べさせたりする体験型ツアーにこれまで約300人を受け入れた。

 メンバーは畜産業や農業などさまざまな職種の13人。野崎さんの呼びかけに「町のカネに頼るなら参加したくない」と返事をした人たちだ。野崎さんも「町の支援を受けることは町の財政を削ること」と言い、自立した運営をグループの信条としている。

 県内最大の5555発を打ち上げる花火大会には、町から毎年約1000万円の補助金が出ている。一方、唐津市では08年9月、花火大会の主催者が撤退したが、伝統を絶やすまいと地元の観光協会などが実行委員会を作り、約3000発を夜空に咲かせた。同じような状況になったとき、玄海町民はどうするか。「このままだと若者が町を出て地域が衰退する。立派な庁舎があるだけではだめなんです」。野崎さんは今、人づくりが必要だと思っている。

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 原発で外津漁協には20億円を超える漁業補償金が転がり込んだ。カネが配られると、漁を辞めたり町外の飲食街で浪費する者もいた。今の漁協の運営も厳しく、交付金に頼るしかない。せめて「玄起海」だけは……。

 「メンバーと夜遅くまで町の将来について語り合うのですよ。たとえ夢物語でも希望が持てますから」。野崎さんは口元を緩めた。=つづく  

Posted by 昏君 at 21:56Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
玄海原発:町が描いた夢/7 「共存」ゆえのジレンマ
毎日新聞(2009/03/13)

 玄海町(一部旧鎮西町)内に15ある旅館は原発とともに発展してきた。原発に続く国道204号の両脇に旅館が軒を連ねる様は、原発との「共存共栄」の象徴とも言われる。

 戦前からあった唯一の旅館が「唐津屋旅館」だ。場所は炉心から約1キロの外津(ほかわず)漁港。全10部屋の宿で家庭的な雰囲気が漂う。

 館主の湯浅一行さん(49)は高校卒業後、関西で調理師として働いた後、25歳ごろ古里に戻った。ちょうど3、4号機の増設が認可されたころで、「4号機(97年運転開始)建設まではずっと宿泊客が途切れることはなかった」

 それ以降では、1、2号機の改修工事があった01年が最後のピークとなった。

 今は約13カ月ごとにある約2~3カ月間の定期検査が主な収入という。しかし、その期間も満室になることはない。検査が最盛期を迎えると、約1000人の作業員が原発を訪れるが、宿泊先は唐津市のビジネスホテルにも分散するようになった。旅館組合が宿泊者らにアンケートを実施し、町内に宿泊しない理由を尋ねたところ「個室のほうが良い」「遊技場がない」などが挙げられた。

 組合の中では度々、観光客の呼び込みが話題に上がる。だが、定期検査期間の他は休業する旅館もあり、ハード面を見ても、ほとんどの旅館は原発で働く作業員向けのため、トイレや風呂が男女別となっていないなどの不便がある。また、定期検査は決まった時期に行われないため、季節に合わせた観光キャンペーンも打ち出しにくい。

 湯浅さんは「観光客の宿泊がほとんどない中で、観光向けに設備投資しても元が取れるのか。踏み切れないのが現状です」と胸の内を明かす。

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 唐津屋旅館に入りきれない作業員を受け入れる形で営業を始めたのが「値賀崎旅館」だ。旅館業のスタートは1967年だが、それ以前から、いりこ製造工場に原発の測量の作業員を泊めていた。創業者は、原発がある値賀崎の地主で、誘致運動を進めてきた山口要太郎さん(03年死去)だ。

 跡を継いだ均さん(60)は69年ごろ、夫婦で出稼ぎに出ていた兵庫県から呼び戻された。71年の1号機着工に向け、いよいよ両親だけでは回らなくなっていた。「部屋を提供するために、家族は車の中で寝ていたほどです」

 以来、約10年ごとに建て増し、今では4棟に300人を収容できる。

 うち2棟は周辺の宿では珍しく観光用とし、玄界灘の幸がクチコミで広がり、一時は観光が原発の売り上げの1・5倍になった。

 だが、今は不況のあおりで観光客は減少。定期検査でも、定員の半分ほどしか埋まらない。「こういう時代でもどうにか黒字を出せる。原発さまさまです」と均さん。

 一方、付近の住民からは「原発の温排水の影響か分からないが、この辺りには海藻が全然ない」という声も聞かれる。

 今年4月から、定期検査の間隔を最長18カ月まで伸ばせるようになる。いずれ廃炉となる時期も来る。そのとき、この土地に何が残るのか。=つづく  

Posted by 昏君 at 21:14Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
玄海原発:町が描いた夢/6 監視強化がカネを招く
毎日新聞(2009/03/10)

 08年9月3日。福岡市内で、早稲田大の白井克彦総長を囲み、福岡を中心とする政財界の懇親会が開かれていた。

 九州電力の松尾新吾会長はあいさつで、2010年に唐津市に開校予定の早大系列の中高一貫校に応分の負担を表明したという。そして九電は今年2月、同校を設置する学校法人への寄付を発表した。事業費の約半分にあたる20億円だった。

 懇親会にも出席した坂井俊之市長は「長年、地域に寄与してきた九電としても力になれたら、ということだろう」と、喜んでみせた。

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 唐津市は05~06年に周辺8町村と合併し、原発に隣接する県内唯一の自治体となった。玄海町も合併協議会に参加していたが、「上下水道整備を計画通り進めたい」などとして03年、離脱した。唐津市にとっては、同町が持つ約100億円の基金を丸々取り逃がした形だ。

 同市の07年度の実質公債費比率は19・7%で、地方債の発行に県の許可が必要な「許可団体」(18%以上)。08年の12月議会で坂井市長は言った。「合併の優遇措置がなくなる2020年度には『財政健全化団体』への移行が懸念される」。もし移行すれば、国に財政再建計画を提出しなければならない。目の前の原発マネーは魅力的に映る。

 坂井市長は08年、30年以上運転の原発がある道県に交付される「原発施設立地地域共生交付金」(25億円)の配分を県に求める方針を早々に表明した。この交付金に県は今も手を付けていない。

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 玄海原発3号機のプルサーマル計画に鎮西町、肥前町、七山村の各議会は反対した。唐津市はそれらの町村と合併したことで原発の10キロ圏内に玄海町の4倍の人口を抱えることになった。

 だが、唐津市は県や玄海町と違い、九電と安全協定を結んでおらず、原発の計画に了解は求められない。

 それでも同市は06年に「安全協定の確認書」を県と交わし、県の立ち入り調査に市職員も同行できるようになった。

 合併が同市の発言力を強めた形だ。こうした「監視の強化」が、結果的に原発マネーを同市に招き入れた。

 核燃料サイクル交付金15億円(唐津市枠分)のほか、県枠の同交付金15億円も同市内の事業に使われる。核燃料税(県が燃料価格に応じて九電に課す法定外普通税)も09年度から初めて玄海町と同じ7億5000万円(5年間)が同市に分配される。

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 原発をめぐる巨額のカネに、地元自治体の“目”が曇ることはないのか。

 古川康知事は「あってはならないし、そうはなっていない」と強調するが、国の交付金制度は地元自治体の判断を鈍らせる可能性をはらむ。

 03年度以降、「安全性を確保するため」に停止中の原子炉は「運転中」とみなされ、交付金が支払われた。だが06年度に規則が変更され、国が安全を確認して3カ月を過ぎれば、そうした「みなし」の扱いを受けなくなり、同時に交付金も入らなくなった。「アメにムチを交ぜるようなやり方だ」との声もある。

 古川知事が05年の国の審議会で立地道県を代表して述べた意見に、地元の危惧(きぐ)がにじむ。「安全性確保は第二で、運転再開を最初に考えなくてはならなくなるという意見が(立地県から)あった」=つづく  

Posted by 昏君 at 19:48Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
玄海原発:町が描いた夢/5 「使い勝手悪い」交付金
毎日新聞(2009/03/08)

 原発によって玄海町が受け取った電源交付金は、07年度までに計210億1400万円に上る。一方で県に172億5500万円、唐津市にも合併前の旧町分を合わせて128億4500万円が交付されている。

 電源交付金は1974年に創設された電源三法で定められた。原発立地を促進する目的などのほか、不明朗な寄付を防ぐ意味もあるとされる。

 交付金の原資は、九電など電気事業者に課せられる電源開発促進税だ。税率は販売電力量1キロワットに付き37・5銭。一般家庭なら年間約1200円が電気料金に上乗せされている。08年度の税収は3480億円に上る見込みだ。

 玄海町は交付金を活用して総事業費約27億円の町民会館や同約23億円の老人ホームなどを建築。03年10月からはソフト事業にも使えるようになったため、保育園の人件費などにも充てている。

 運用幅は広がったが、同町の岩下孝嗣議長は言う。「県と協議して計画を立てて国に認められなければならず、使い勝手は悪い」

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 岩下議長の言葉を表す施設がある。04年4月オープンの「玄海海上温泉パレア」だ。

 原発立地市町村に直接交付される長期発展対策交付金約10億円を使い、総事業費約17億円を投じた。建物の半分以上が海に突き出し、仮屋湾に沈む夕日を眺めながら湯につかれる。

 鉄筋3階建て延べ床面積約5300平方メートル。温水プールやレストランも備える。町の旅館組合も宿紹介のパンフレットを作り、観光拠点としての役割を期待した。

 だが、聞こえてくる声は交付金への不満と同じで「使い勝手は悪い」。

 収益事業であるレストランに交付金を使えば、国から収益分の納付を求められる可能性があり、レストランは一般財源で建てたという。

 また、計画自体、交付金を積み立てた基金の使用期限(5年間)切れが近づく中で進んだ。当時、担当課長だった町幹部は「どたばたした状況だった」と振り返る。議会もあせった。岩下議長は「これでやめたら交付金を国に戻さなければならず、議会も計画を認めるしかなかった」と言う。

 結局、施設は温泉部分とレストラン部分の2棟が分離した形で設計された。2棟を結ぶのは、1階と、2階の渡り廊下。入浴後、レストランに行こうとすれば、温まった体を外気にさらさなければならない。

 利便性向上や経費削減を目的に指定管理者制度を導入したが、業者が決まったのはオープン2カ月前だった。関係者は「(07年開設の)老人ホームの運営も任せることを約束し、どうにか引き受けてもらった」と明かす。だが業者は、赤字経営を理由に2年で撤退した。

 別の業者に運営が移っても、利用客は減り続けている。施設に見合うだけの客数がなく、期待されていた観光の呼び水にもなっていない。

 赤字は、04年度の約7000万円から07年度には約4000万円に圧縮されたが、依然、町が年間約3000万円の委託料を注ぎ込んでいる。

 交付金は、町の規模に見合い、町民の求める形で使われる仕組みになっているのだろうか。=つづく  

Posted by 昏君 at 15:48Comments(0)TrackBack(0)玄海原発
玄海原発:町が描いた夢/4 深まる九電との連携
毎日新聞(2009/03/07)

 九州電力玄海原発に隣接する約11万平方メートルの敷地に、実物大の原子炉模型のあるサイエンス館や温室などが並ぶ。九電が99億円を投じ、00年3月にオープンしたPR施設「玄海エネルギーパーク」だ。

 オープン前年の99年には作業員が被ばく死した茨城県東海村のJCO臨界事故が発生し、00年の宮崎県串間市長選では、原発の新規立地が最大争点に上った。電力事業者側からは原発のPRの必要性が叫ばれていた。

 館内には原発の仕組みを学ぶゲーム機が並び、入場は無料。00年度の来館者は約41万6000人に及んだ。「入口に数十メートルも列ができました」。スタッフの女性はオープン初日を今も思い出す。

 だが来館者数は次年度以降減り続け、07年度は約22万9000人にまで落ち込む。

 客足回復を目指し、施設は年4回のキャラクターショーなどで家族連れを呼び込み、スタッフも毎月、手作りのイベントを開く。それでも、当初の集客数にはほど遠い。

 「展示のリニューアルもなく、目新しさがなくなった面はある」と岩尾信男館長。上田親彦・玄海原発環境広報担当次長は「一度でも来てもらえれば、原発への理解を深めるという目的は達成される」と、リピーターが必要な商業施設との違いを強調する。

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 この施設の隣に、玄海町が2012年のオープンを目指すのが「次世代エネルギーパーク」(仮称)。新エネルギーへの理解を図るための施設で、現在全国13カ所、九州では玄海町、北九州市、長崎県佐世保市に計画されている。町には06年に国側から打診があった。

 町が07年に策定した計画では、次世代パークの年間来場者を約10万人と想定。利用料は1人300~500円。江戸時代の炭鉱に始まり、原発から大型風力発電まで町の電力史をたどりながら、さまざまな新エネルギーを紹介する。メリーゴーラウンドやゴーカートなどの遊具も設け、年間運営費は約5400万円。

 プルサーマルの受け入れによって県に交付される核燃料サイクル交付金は計60億円。うち30億円が町に分配され、町はこの中から10億円を次世代パークに充てる。

 さらに、同じ交付金から10億円を出し、次世代パークの近くに九州大と薬草研究所を開設することも計画している。岸本英雄町長は新旧二つのパークとの相乗効果を狙い「薬膳料理の提供など付加価値を付けて、製薬会社などの企業誘致に結びつけたい」と夢を描く。

 だが、住民の間からは「交付金をもらうために造る施設ではないかと思ってしまう」との声も聞かれる。

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 次世代パークは国が事業を実施する自治体を募って造られるが、この事業に特化した国からの助成はない。一方、町が設置した町内の団体や県外の旅行会社、それに九電も加えた構想検討委は08年7月に「管理運営は第三セクター方式の検討をぜひお願いしたい」とする提言書をまとめた。

 「せめて半分は国の援助があると思っていた。最初の話から随分変わったような気がする」と岸本町長。「九電と連携してやらせてもらうしかないだろう」と漏らした。=つづく  

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玄海原発:町が描いた夢/3 越えられないハンディ /佐賀
毎日新聞(2009/03/06)

 07年2月7日。唐津市の唐津赤十字病院で病院の運営委員会が開かれていた。議題は病院の07年度予算。だが熱を帯びたのは、粒子線がん治療施設の話題だった。

 鳥栖市も候補地になったとのうわさを聞いていた委員の一人、岸本英雄・玄海町長が、委員長の佐藤敏行県健康福祉本部長に声を荒らげた。

 「唐津にもまだその気がある。唐津への設置を進めたらどうですか」

 7カ月後の9月11日、がん治療施設の設置場所や導入装置などを話し合う第1回専門家会議が県庁で開かれた。

 会議のメンバーは、九州の大学を代表する放射線科の教授ら16人。県と同じく誘致を進める福岡市の医療研究会座長を務めた本田浩・九州大教授の姿もあった。

 これほどのメンバーを集め得る設置場所は、唐津市ではなかった。会議は、当初から鳥栖市を推す声が大勢を占めた。

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 「鳥栖で協力できないでしょうか」。佐賀大付属病院の十時忠秀院長(当時)が九州の医学部長病院長会議で呼び掛けたのは、専門家会議の5カ月前。07年4月だった。

 古川康知事は病院長会議が開かれる以前、十時氏に相談を持ちかけていたという。「粒子線がん治療施設を造って原発やプルサーマルへの根強い反対や不安を取り除きたい」

 十時氏によると、古川知事は当時、誘致場所を唐津市と想定していた。だが「唐津ありきか」と首をひねった十時氏は、古川知事に候補地の条件を挙げた。

 粒子線がん治療施設の採算ラインの患者数を見込める▽福岡の経済界がカネを出しやすい▽優秀な医師を九州各地から集められるアクセスの良さ--。

 説明を聞いた古川知事は、考えを変えたという。「鳥栖でいい」

 「シンクロトロンも鳥栖だった。今度もまた鳥栖か」。唐津市への誘致を進めていた原口義己県議は、古川知事にそう言った。

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 鳥栖市は九州の高速交通網の要という立地条件から「ハート・オブ・九州」と呼ばれる。

 活発な企業誘致も相まって同市の人口は10年前より13%増え、約6万7000人。06年2月には原発立地道県への文部科学省などからの電源交付金計47億円を投じた研究施設「県立九州シンクロトロン光研究センター」も開所し、07年度は地方交付税の不交付団体となった。

 一方、玄海町も地方交付税なしでやっていける十分な財政力がある。1人あたりの地方債残高は九州一低い。しかし人口は10年前より14%減り、現在は約6600人。

 がん治療施設誘致でも、地の利の悪さというハンディを乗り越えることはできなかった。

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 今も粒子線がん治療の資料が並ぶ、玄海町の町長室。

 「治療施設を造ったら道路ができるかもしれないということを考えなかった。道路がないから(誘致は)無理だと途中で腰が砕けた」と岸本町長は振り返った。

 岸本町長の頭には、かつて町の起爆剤となった九州電力の「玄海エネルギーパーク」が浮かんでいた。=つづく  

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