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Posted by さがファンブログ事務局 at
 唐津で英会話教室を営まれているアメリカ人の方も、老朽化した玄海原発1号機について危惧されています。九電の経営陣は保身ばかりに奔走する場合ではありません。

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/rc20110728a4.html#.TjDQHn14P1I.twitter

http://www.seattle-english.com/index.html  


Posted by 昏君 at 12:09Comments(1)玄海原発
大橋弘忠さん恥ずかしくて人前に出られないでしょうね。


  


Posted by 昏君 at 19:56Comments(0)玄海原発

2011年07月20日

呆れた国策!

原発推進へ“指南書” 91年に旧科技庁が作成委託 世論対策も詳細に
2011年7月20日 10:11 カテゴリー:社会 九州 > 佐賀


 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開をめぐる九電の「やらせメール」問題は、意見投稿の例文集を取引先に渡すなど、電力会社による世論操作の実態を白日の下にさらしたが、原発にからむ世論対策は今に始まったことではない。チェルノブイリ原発事故後、旧科学技術庁(現文部科学省)が原発推進のため、政府機関や電力会社向けに“指南書”を作成していた。そこには、国民や報道機関、教育現場に原発の必要性を浸透させるための具体策が列挙されている。

 “指南書”は、文科省と経済産業省所管の日本原子力文化振興財団が科技庁の委託で1991年にまとめた報告書「原子力PA方策の考え方」。PA(パブリック・アクセプタンス)とは「社会的合意形成」の意味で、財団によると、文書の配布先は不明だが、「チェルノブイリ事故を受け、どんな広報が必要かを検討するために作ったのでは」(横手光洋専務理事)という。

 報告書の記述を転載した隔月刊誌「放送レポート146号」(1997年発行)によると、新聞社の論説委員、電気事業連合会や原発プラントメーカーの広報担当者などでつくる委員会の議論を集約した内容で、科技庁の官僚もオブザーバー参加。(1)市民対応(2)マスコミ対応(3)タイミング(4)学校教育-といった論点について、国や電力会社の広報のポイントと手法を提言している。

 原発の必要性をどうアピールするかでは「原子力による電力が『すでに全電力の3分の1も賄っているのなら、もう仕方がない』と大方は思うだろう」と記述。主婦層に対しては「現在の生活レベル維持の可否が切り口となろう」「自分の周りに原発がなければ、他人事(たにんごと)としか受け取っていない」などと説く。

 中学校の教科書での原子力エネルギーの取り上げ方を「原発や放射線は危険で、できることなら存在してもらいたくないといった感じが表れている。書き手が自信がなく腰の引けた状態で書いている」と指摘。「これではだめだ。厳しくチェックし、文部省(当時)の検定に反映させるべきだ」と踏み込んでいる。

 報道機関への対応の助言も具体的だ。「スポークスマン(役人を含む)を養成する。新聞記者が積極的に彼の意見を求め、記事に引用するようになる。一種のマスコミ操作法だが、合法的世論操作だ」と指摘した。

 報告書について、財団の横手専務理事は取材に「一部、不適切な表現がある部分は反省しなければならない」とした上で「広報戦略を立てること自体はどこでもやっていることで問題はない」と話した。九州電力は「報告書は社内に現存せず、受け取ったかどうかも分からない」(広報部)としている。

■情報公開の視点ない 福島第1原発事故「事故調査・検証委員会」の委員を務める吉岡斉(ひとし)・九州大副学長(科学技術史)の話

 原発推進の思想を注入することを重視した放言集のような印象だ。ここに書かれた大衆扇動のテクニックは事実上、最近まで実践されてきた。正確な知識の啓発活動は必要だが、それには原発のリスクを含めた情報公開や市民との対話が不可欠だ。その視点が抜け落ちている。

▼九電が手渡した意見投稿「例文集」(原文)

 (1)将来的には再生可能エネルギーへ転換していくことが望ましいかもしれませんが、現段階においては、安全対策を講じながら原子力発電を運転していくことが必要であると考えます。そのことが九州経済、ひいては日本の経済維持発展に大きく寄与するものと考えます。日本全体のことを考え、九州を含む西日本が元気を出して、生産や経済を回さなければならない中、電力不足は絶対にあってはならないことです。発電所の安全対策を強化し、徹底した監視のもと、早く(九州の)原子力発電を再開すべきと強く要求致します。

 (2)電力が不足していては、今までのような文化的生活が営めないですし、夏の「熱中症」も大変に心配であります。犠牲になるのは、弱者である子供や年配者の方であり、そのような事態を防ぐためにも、原子力の運転再開は絶対に必要であると思います。併せて電力会社の方には、万全な安全対策をくれぐれもお願い致します。

 (3)太陽光や風力発電を否定するわけではなく、推進することも必要であると考えております。しかし太陽光や風力発電は天候に大きく左右され、利用率が大変に低いと聞いております。また、火力や原子力発電に比べて広大な面積が必要になるなど、現在の技術面・コスト面から考えますと、補助的な電源にはなっても、代替の電源と成り得ることは到底無理であると思います。よって、当面は原子力発電に頼らざるを得ないと思います。

 (4)科学的データに基づいて、今回の福島原発事故の事象の要因は津波であるとの国からの説明がありました。各電力会社では「緊急安全対策」に加え「シビアアクシデント対策」を実施しているとの新聞報道がありましたが、安全対策については十分に実施されており、発電を再開することについて全く問題はないと思います。国も「発電再開しても問題ない」と示しているにも関わらず、何故発電再開が出来ないのでしょうか。

 (5)テレビにて「夏の電力供給力の見通し」の放送があり、電力供給の予備力が約3%しかないとのことでありました。もしも、現在稼働中の火力発電所でのトラブルや、全国的な猛暑などが続いた場合は、電力が不足し最悪の場合は停電が懸念されます。東京電力のお客さまは、計画停電の実施により大混乱を招いたと聞いておりますが、そういう事態を招かないためにも、一日も早い原子力発電の再開を強く望んでおります。

 (6)トヨタ自動車の豊田章男社長より、電力不足の広がりに対して「日本での物づくりは、限界を超えた」との記者団への発言がありましたが、電力不足が国内産業(生産)の空洞化に益々拍車をかけることが懸念されます。代替電源が直ちに準備できない現状では、原子力発電の再開は不可欠なものであります。

=2011/07/20付 西日本新聞朝刊=  


Posted by 昏君 at 19:29Comments(0)玄海原発

2011年07月19日

懲りない奴ら…。

やらせメールの九州電力。会長が記者にまさかの依頼。「原発再稼働を誘導してよ」 週刊プレNEWS

[2011年07月19日]


運転停止中の玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)の再稼働をめぐり、運転再開を誘導する「やらせメール事件」が発覚した九州電力。

その渦中、経営陣はさぞや反省し、再稼働に向けてより慎重な姿勢を見せているはず……と思いきや、その経営トップから記者を前にして「まさか!」の発言が飛び出した。以下にそのやりとりを再現しよう。

時は7月10日夜。発言の主は松尾新吾九州電力会長。自宅前に詰めた複数の記者に向けて、インターホン越しに取材に応じた際のことであった。まず、「玄海原発の今後の稼働方針」を問う質問に対しては、以下のように明言。

「玄海原発は再稼働するべきだと思ってます。再稼働しないことで、(火力発電の燃料費で)一日6億円のマイナス。日本国民が働いてためた国富が外国に流出している。すぐに運転再開して、そういう事態を止めたい」

――安全性については?

「十分に安全だと思っています。2号機は3月28日に、3号機は4月7日だったかな、運転再開の予定だった。その時点で、いわば車検が終わった車が手元にあるのに、それに『乗れない』というのはおかしいと思いませんか?」

そこで記者が「3月11日の大震災で、その車検(原発の安全審査)自体がズサンだったことが明らかになったのでは?」と問うと、「そんなこと、ありません! あなたがどれだけ原発の点検のことを知っているのか知りませんが、精緻(せいち)を極めた厳しい検査なのです。よその国では運転中でもいいことを(日本では)止めて分解、厳しいチェックをしている。日本が一番厳しいのではないか。ズサンと言われても困る」 と語気を荒らげるのであった。

一方で「菅総理が自家発電などの活用で夏を乗り切れる」と見込んでいることに対しては「それ(自家発電)がどれくらいあるのか、(経産省は)把握していないと思う」と返答。だが、実際には資源エネルギー庁が5300万kWあると発表済み。電力会社のトップでありながら、そうした数字が公表されていることを知らないようだった。

その翌日の11日には、九州電力の中村明・原子力発電本部副本部長が鹿児島県議会での聴聞に出席。そこで中村副本部長は、「やらせメールは原子力管理部の課長の独断だった」と説明したが、その指示をしたのは自分自身であると認めた。そして、中村副本部長に対して指示した人物については「上司」とだけ述べた。

こうしたことからの推察でしかないが、「やらせメール事件」の深層には「再稼働ありき」の松尾会長の意向を各段階で部下が思い量ったという部分があったのでなかろうか。

その松尾会長、冒頭の取材の最後には、記者陣に向けてこんな発言も残したのだった。

「(九州電力は玄海原発が再稼働しないために)500億円くらいの赤字になっています。(玄海原発を)稼働するように、あなたたちも言ってくださいよ。本当にお願いします。車検が終わった車に乗ってもいいじゃないかとみんなで言ってくれれば、明日からでも動くのです。ぜひ、そういうふうに(世論)誘導してください」

大事なのは安全よりもカネ勘定。そのうえ、世論誘導の依頼? 報道陣もナメられたモノである。

(取材・文/横田一)

  


Posted by 昏君 at 21:36Comments(0)玄海原発

2011年07月19日

国策に翻弄されて…。

沖縄タイムス | 揺れる玄海町 構図重なる原発・米基地
http://t.co/HwETOpd

 同じです。

 アメとムチ…。

 でもそれから抜け出せない弱さ。

 でも時代は変わっている。

 新たな生き残りを模索しないと!   


Posted by 昏君 at 21:15Comments(0)玄海原発
2回目の原発県民説明会 私の質問と回答
http://t.co/6EteBoE

こっちは1回目を佐賀新聞社がまとめたものです。
http://ow.ly/5D2sd  


Posted by 昏君 at 12:34Comments(0)玄海原発

2011年07月12日

常識の欠落

原子力ムラの村人は常識が理解出来ないらしい。

http://ow.ly/5Bre5

http://ow.ly/5Brg9  


Posted by 昏君 at 00:04Comments(0)玄海原発

2011年07月06日

お粗末すぎる!

当日、意外に運転再開のメールが多いなとは思っていたが、こんなお粗末な事をやっていたとは。
九電は東電よりましだと思っていたが、結局同じか。

九電関連会社が社員に原発再開メールを指示 - MSN産経ニュース
http://t.co/Q4xOGLI
2011.7.6 18:37

 共産党の笠井亮衆院議員は6日の衆院予算委員会で、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開に向けて「説明番組」放送の際、「九電の関連会社が社員らに運転再開を支持する電子メールを番組に投稿するよう指示していた」と指摘した。

 笠井氏は「説明会の正当性が問われる。九電が世論誘導した。調べるべきではないか」と政府の対応をただした。これに対し、菅直人首相は「やらせ的なことがあったとすれば、大変けしからん」と答弁。海江田万里経済産業相は「しかるべき判断、しかるべき処置をする」と述べ、調査する考えを示した。

 番組は経済産業省が主催し、6月26日に放送された「しっかり聞きたい、玄海原発」。玄海原発の緊急安全対策についての説明番組で、佐賀県内のケーブルテレビとインターネットで放送され、約2000通のメールやFAXが寄せられたという。  


Posted by 昏君 at 20:29Comments(1)玄海原発
http://ow.ly/5xFiI

 ストレステストがどんな物かは素人には分らない。

 テストに関する全ての情報は100%開示して、第三者の専門家が検証できる様にして欲しい。  


Posted by 昏君 at 18:52Comments(0)玄海原発
佐賀県主催「原発説明会」応募3倍 佐賀市は20倍/佐賀のニュース :佐賀新聞の情報コミュニティサイト ひびの
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1975983.article.html

 私の役目は6月26日の説明会での発言で終わったと思っていました。今後は私以外の多様な人達の意見がオープンな環境で継続する事を望んでいました。今問題になっている”再起動”問題だけではなくエネルギー政策全般の論議が継続する事を望んでいんす。特に原子力安全・保安院の在り方や、今後発生する廃炉による核のゴミの処理方法について国が確りと指針を示して欲しいと望んでします。

 その考えのもとに7月8日の説明会は、私以外の方の発言を望んでしました。しかし県は参加して欲しい、壇上に上がって欲しいと説得してきました。固辞しました。でも、断りきれなくなりました。腹を括って参加しまします。私を含め5名の方も参加されるそうです。私はより多様な意見を引き出すための呼び水だと自分を位置付けています。

 当日は各市町の首町と議長も参加されるそうです。玄海町の場合は岸本町長と町会議員全員が参加されます。玄海町の町民は勿論、周辺住民の生の声を確り聞いて、今後の原発政策を決めてもらいたいと強く望みます。   


Posted by 昏君 at 13:34Comments(0)玄海原発
高経年化した玄海1号機を真っ先に!!

原発:全てで耐性テスト…再稼働準備中を優先 経産相方針(毎日新聞)

2011年7月6日 11時51分

 海江田万里経済産業相は6日午前、経産省で記者団に対し、原子力発電所の一層の安全確保のため、全原発を対象にストレステスト(耐性試験)を行う方針を明らかにした。定期検査などで停止し再稼働準備中の原発を優先して実施。具体的な試験項目は細野豪志原発事故担当相や原子力安全委員会と協議して決定する。ストレステストの実施で原発の再稼働がさらに遅れるのは確実で、今夏の電力需給が逼迫(ひっぱく)するのは必至だ。

 ストレステストの実施は、5日の菅直人首相と海江田、細野両氏の会談で決まった。

 海江田氏は記者団に「直ちに作業に入りたい」と指摘。「安全確認だけでなく、国民の一層の信頼を得て再稼働していく」と強調した。再稼働が遅れる懸念については「需給に問題が起きないよう責任を持つ」と語った。

 ストレステストでは、地震や津波などに対する原発設備の強度や機能などの耐性を再評価する。欧州連合(EU)が3月の東京電力福島第1原発事故を受け、6月から実施し、炉心冷却機能維持など防護策や被害抑制策を再評価している。経産省はEUのテストも参考にする方針で、規制機関である原子力安全・保安院が実施する。

 原発の再稼働を巡っては、海江田氏が6月18日、原子力安全・保安院による各原発への立ち入り検査結果などを踏まえ、事故対応は適切に実施されているとして「運転停止中の原発の再稼働は可能」との見解を表明した。

 しかし、地元自治体の多くは疑問を示し、安全性について説明を要求している。九州電力玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)の再稼働では、玄海町が運転再開を容認しているが、古川康佐賀県知事と菅首相との会談は実現していない。政府は、一段の安全性確保のため追加的なテスト実施で理解を得る必要があると判断した。

 全国には商業用原発が54基あり、定期検査などで37基が調整運転中を含む停止中、5基が8月までに停止する見込み。【野原大輔、和田憲二】



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「玄海原発再開」判断遅れも 安全審査で佐賀知事

 海江田経済産業相が全国の原発で新たな安全審査(ストレステスト)の実施を表明したことについて、佐賀県の古川康知事は6日、西日本新聞の取材に「ストレステストが終わらないと(玄海原発2、3号機の運転再開容認の判断は)言えない感じがする」と述べ、最終判断がずれ込む可能性を示唆した。さらに「菅直人首相がストレステスト結果をどう評価されるのか。首相が総括しないとおかしい」と語った。

 運転再開の判断をめぐり、知事は「県議会の議論」を重視する考え。県議会は11日に原子力安全対策等特別委員会を開く予定だが、ストレステストが実施されることを受け、知事は県議会の議論について「今月末か8月までになるかもしれない」との見通しも示した。

 古川知事は6月29日の経産相との会談後「安全性はクリアできた」と再開容認の姿勢を示す一方で「菅首相の真意を知りたい。首相の来県が重要な要素」と強調した。

 知事は取材に、首相官邸で7日午前、枝野幸男官房長官と会い、首相の来県を直接要請することを明らかにした。

=2011/07/06 西日本新聞=


  


Posted by 昏君 at 12:08Comments(0)玄海原発
 2011年7月1日の佐賀新聞の記事です

 運転開始から36年が過ぎた九州電力玄海原子力発電所(佐賀県東松浦郡玄海町)1号機の原子炉圧力容器の劣化を判断する指標となる「脆性(ぜいせい)遷移温度」が大幅に上昇、大学の研究者らは異常として問題視し、最悪のケースとして容器破損の可能性にも言及している。九電や国は「安全性に問題ない」と反論。研究者は検証のためのデータ開示を求めるが、九電は「業界規程に基づいて適正に検査しており、検証しても結果は同じ。40年目の高経年化評価時にデータを公表する」としている。

 鋼鉄製の原子炉圧力容器は中性子を浴びるともろくなる。電力各社は老朽化を把握するため容器内に同じ材質の試験片を置いて取り出し、緊急冷却した場合などに容器が壊れやすくなる温度の境目となる脆性遷移温度を測っている。劣化が進むほど温度は高くなる。

 九電によると、運転開始時の1975年の脆性遷移温度は零下16度。これまで4回取り出した試験片の温度は、35度(76年)、37度(80年)、56度(93年)と推移し、2009年は98度に大幅上昇した。

 九電は「試験片は圧力容器よりも多く中性子を浴びる場所に置き、数十年後の圧力容器の劣化状況を予測するためのもの。98度は2060年ごろの数値に当たる」と説明。「圧力容器の現在の脆性遷移温度の推定は80度で、60年間運転した場合でも91度」とし、日本電気協会が定める新設原子炉の業界基準93度を下回っていることを強調する。26日の県民説明会でこの問題を質問された経産省原子力安全・保安院も同様の説明をして「容器が壊れるような状況にはない」と答えた。

 ただ、こうした見解に研究者は疑問を示す。九州大応用力学研究所の渡邉英雄准教授(照射材料工学)は「上昇値は本来の予測値から大きくずれ、誤差の範囲を超えている。原子レベルで想定外の異常が生じている可能性がある」と指摘。井野博満東大名誉教授(金属材料学)は中性子の影響を受けやすい不純物が含まれるなど材質が均一でない可能性を指摘したうえで、「緊急冷却で急激に温度を下げた場合、圧力容器が壊れる可能性がある」とする。

 研究者は試験片や検査データが開示されていないため詳しい検証ができないとし、電力各社に情報開示を求める意見も強いが、九電は「今後も安全な数値で推移すると判断しているので、すぐにデータを提示する必要はない」としている。


■脆性遷移(ぜいせい・せんい)温度の上昇が問題

 運転開始から36年がたった九州電力玄海原発1号機の原子炉圧力容器の劣化問題。劣化を判断する指標となる脆性遷移温度が予測値を大幅に超えたことを、研究者らは一様に問題視し、原因を究明するために九電の情報開示の必要性を指摘する。4人の研究者の見解を紹介し、脆性遷移温度について説明する。

【脆性(ぜいせい)遷移温度とは?】

 鋼鉄製の原子炉圧力容器は核燃料が分裂する際に放出される中性子を浴びて次第に劣化する。鋼鉄はそもそも高温では柔らかくて粘り強いが、低温だと硬く割れやすくなる。脆性遷移温度はその境目の温度で、劣化するほど上昇し、この温度を下回るともろくなる。

 原発事故で圧力容器を冷やす必要が出た場合、原子炉に水をかけて冷やす緊急冷却装置(ECCS)が作動する。脆性遷移温度が高いと、急激な温度差による圧力に耐えられず破損する危険性が指摘されている。

 玄海1号機の圧力容器は高さ約11・5メートル、鋼鉄の厚さは約18センチ。脆性遷移温度を確認するための試験片は数十個ずつ六つのカプセルに入れ、圧力容器の内壁と原子炉の間に置かれている。

 脆性遷移温度の数値は運転管理にも使う。そのため、カプセルは容器の壁につけるのではなく、あえて壁よりも10センチ燃料に近い場所に置いて中性子の照射量を増やす。試験片の数値から圧力容器が今後、どの程度もろくなるか予測するという。

 試験片は数年から十数年ごとに1カプセルずつ取り出し、原子炉製造会社の研究施設で検査する。それぞれ違う温度で温めて衝撃を加え、もろく壊れた温度を脆性遷移温度として推定する。試験片の脆性遷移温度を元に、日本電気協会の予測式から今後の温度推移や容器本体の脆性遷移温度を割り出す。

 九電が1993年に検査した時点では、60年運転した場合の圧力容器の脆性遷移温度を72度と予測していたが、今回の検査結果を受け91度に上方修正した。九電は「業界基準の93度以下で問題ない」とする。


■劣化、現状の危険性について識者4人の分析

 運転開始から36年がたった九州電力玄海原発1号機の原子炉圧力容器の劣化問題。劣化を判断する指標となる脆性(ぜいせい)遷移温度が予測値を大幅に超えたことを、研究者らは一様に問題視し、原因を究明するために九電の情報開示の必要性を指摘する。4人の研究者の見解を紹介する。


【渡邉英雄・九州大応用力学研究所(照射材料工学)】

 試験片の脆性遷移温度は過去の実測値に基づく予測から大きくずれており、誤差の範囲で済むレベルではない。詳細な検査データはわれわれにも公表されず、中性子照射の影響が研究者間で100%解明できているわけでない。国内外の専門家に試験片を開示するなどして学問的議論に広げなければ、地域の安心と安全には寄与しない。

 容器本体は構造物としての加重や過去の地震による影響なども受けており、どんなメカニズムで上昇したのか、原子レベルでの詳細な解明が必要だ。


【井野博満・東大名誉教授(金属材料学)】

 精度が上がった最新の予測式で脆性遷移温度を推定すれば70度程度になるはずで、実測値は全く異なる。想定以上の劣化と考えるのが自然だ。衝撃試験で試験片がどのように壊れたのかなどの検査結果公表が不可欠だ。

 圧力容器の材質にばらつきがあり、一部が想定外にもろくなっている可能性もある。事故などで緊急冷却装置が作動して一気に水が注入された場合、運が悪ければ温度差による応力に耐えきれず破損する。原発管理を運に任せることは許されず、98度を容器本体の数値と見て対策を考えるべき。


【長谷川雅幸・東北大名誉教授(原子炉材料学)】

 運転期間が長くなれば脆性遷移温度の上昇カーブは緩やかになるのが一般的で、急上昇は非常に不可解だ。直ちに危険な状況ではないが、原因を確かめなければ安全とは言えない。

国内の電力会社が研究機関に試験片を提供することはなく、ベルギーの原発から取り寄せた日本製の試験片で研究しているのが現状だ。原子炉の本来の運転想定は30年。高経年化評価して運転を続けておりそもそもリスクがある。情報を公開しない電力会社の体質をあらためなければ、国民の信頼は得られない。


【義家敏正・京都大原子炉実験所教授(原子力材料学)】

 圧力容器の厚さは20センチ近くあり、重量も約500トンある。仮に緊急冷却装置の水が入ったとしても破損は考えにくい。ただ98度はあまりに唐突。容器の材質に何が起きているのか、詳しく調べる必要がある。

 電力会社の試験片の検査は言わば内輪でやっている状況。原子炉の安全性は研究者のだれもが追求すべきと感じている。破壊検査した試験片の破断面はどうなっているのか、中性子照射の影響を受けやすい銅やリンなどの不純物はどの程度含まれているのか、資料を示してほしい。   


Posted by 昏君 at 16:27Comments(1)玄海原発
平田義信