被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト
 地域活性化のために各自治体は、直接・間接的に多くのCSO組織を支援しています。
 私の住む玄海町でも多くの事業が行われているらしい。らしいと言うのは、人口7千人にも満たない小さな町なのに、どんな事業が行われているかは余り知らない。多分ほとんどの町民が、活動の当事者以外は全くと言っていいほど知らない。

 先日、町内の床屋に行った時に、隣のおじさんがボヤイているのを聞いて成る程と同感した。町がいきなり、都会の学生数百人規模の地域ツーリズム行うと言い出した。1軒の家庭で4・5人のホームステイ受け入れてくれと言ってきたそうです。
 確かに今までもホームステイ受け入れた実績はありますが、それは1軒1人くらいです。それに慣れた家庭が何回も受け入れていたケースが多いでしょう。今回の様に多人数の子供達を、受け入れの経験が無い家庭が受け入れるのは勿論初めて。まだ、地区の役員さんレベルでの話だろうが、町内全域に打ち出した場合に混乱するだろうな。
 また、計画ではホームステイは1日だけだそうだ。たった1日では、どれほどの事業効果があるか疑問だ。100人を1日受け入れるより、10人を1週間受け入れた方が遥かに高い効果が見込まれる。それにいきなり大勢を受け入れるのでは無くて、数年掛けて受け入れ人数や、受け入れ家庭を増やす方が事業はスムーズに進むと思える。幸い、町には今の所お金は有るのだから、もっと計画的に事業を進める方が良い。
 
 この話に興味が湧き、帰宅後に町のHPを散々調べてみたが、全く情報が無い。そこでネット上を探した所、「財団法人日本立地センターエネルギー部」と言う団体が原子力発電所を立地している地域の活性化支援事業「まち夢元気事業」の一環として、資源エネルギー庁から日本立地センターを経由しての資金援助や、アドバイザーの派遣など行っている。玄海町も平成19年度に「玄起海(げんきかい)」、平成20年度に「都゛玄海(どげんかい)」と言った団体が支援を受けている。
 こんな団体知らない!。私が無知なのか?。町のHPでこの団体検索してみる、ヒットしない…。そうなのだ、どんなに有意義な活動も知られなければ、唯の自己満足に過ぎな。他人に自慢しても、「フーン」で終わってしまうし、活動の発展にも繋がらない。

 この例は玄海町のケースだが、他の自治体でも同じような状況ではないだろうか。こうなった原因として考えられるのは3つ有ると思う。
 第1は、行政の地域住民にに対する広報が住民に浸透していない。各種の広報誌や、最近ではHPなどで広報しているが、それは通り一辺倒な内容が多く関心を引く工夫に乏しい。
 第2は、主催組織が事業を行うだけで満足して、周辺へ広げる意欲が足りない。努力をしていなと言っているのでは無い。また、広報の難しさも理解している。
 しかし、どこかで仲間内で上手くいっているのだから、他人を入れて輪を乱されたく無いと気持ちが働いている。この傾向は組織が安定していればいる程、強くなる傾向がある。それが外部の人間を受け入れるのを拒ませる。
 第3は欧米の個人主義を日本流に解釈した個別主義が社会に蔓延り、昔ながらの地域住民の相互扶助意識が薄れている。また最近の世界的な景気後退の影響で、個々人に余裕が無くなって来た事が、その傾向に拍車を掛けている。

 第3の原因は簡単に解決出来るものではないが、第1と第2の原因に関しては地域で取り組めば解決出来る。
 第1の原因は行政の縦割り傾向を見直し、横の情報交換を活発にする事が重要だ。人の関心を引く工夫についても、外部の知恵を積極的に取り入れた方が良い。また、アウトソーシングも考慮すべきだ。
 第2の原因を解決するには、積極的に外部の団体とのコンタクトを取るべきだ。特に同種団体だけに囚われず、異種な団体との接触が刺激となる事が多い。また、異種団体との繋がりは新規事業に実施において、協力する事でお互いの弱点を補完し合う関係を築ける。
 こう言った対応策を取る場合にキーマンとなる人間が存在する。それは行政内に居ながらCSO組織活動をしている人や、複数のCSO組織に在籍している人たちだ。この人たちは行政とCSO組織、CSO組織とCSO組織を繋ぐ《ブリッジ》となりうる可能性を秘めている。このキーマンが活動し易い環境を作っていく事が、組織活性化の肝だと思う。

 何処のCSO組織も活動がマンネリ化して、期待できる事業効果を上げられない。また、資金の調達もままならず、組織を維持出来なくなっている。
 しかし、時代は大変革期に差し掛かっている。今こそ組織を改革するチャンスだ。いつの時代も最大のピンチは、最大のチャンスなのだから。


※CSOとは
 CSOとは:Civil Society Organizations(市民社会組織)の略で、NPO法人、市民活動・ボランティア団体に限らず、婦人会、老人会、PTAといった地縁組織・団体も含めて「CSO」と呼称している。
 一般には余り使われない言葉だが、佐賀県では県民協働の担い手の総称として使われている。

 先日の床屋でオジサンがボヤイていた内容が分かりました。今朝の佐賀新聞の論説にその内容が掲載されています。成る程、唐津観光協会がやっているのか。論説の前半に書かれている事は、その通りだと思う。

 しかい、後半の「受け入れ側の民家には、必要以上に構えてほしくない」は口で言うほど簡単では無い。確かに「案ずるより産むが易し」なのかも知れないが、床屋であったオジサンも言うように慣れていにので不安なのだ。

 やはりここでも、情報の発信力が試されていると考える。この場合は外では無く、内への発信力だが。情報の透明性を上げ、忌憚なく情報交換が出来る場が必要だろう。そう言ったコミュニケーションの中で、関係者全員の モチベーション を上げていく工夫も必要ではないだろうか。

修学旅行生の民泊 唐津観光協会が新戦略
佐賀新聞:論説(2009/05/02)

 唐津観光協会が観光誘致の一環として初めて取り組む、農家などでの民泊体験を絡めた修学旅行生の受け入れが今月スタートする。観光客の伸び悩みを打開するため、修学旅行をターゲットにした試み。評判が良ければ今後の誘致活動に弾みがつくだけに関係者は注視している。

 予定している修学旅行は、大阪市と神戸市の中学12校2122人。今月11日から6月10日までの間で実施される。このうち8校1477人が農山漁村に民泊をしながらの体験交流。4校645人は宿泊を伴わない体験型のプログラム。受け入れるのは七山など山のエリア60軒、玄海町を含めた海のエリア50軒。農作業や魚の養殖場での餌やりなどを体験してもらう。

 受け入れ側の民家は安全面での責任、食事、仕事との兼ね合いなど、先進地視察のほか、専門家による体験プログラムや受け入れに関する研修を積み重ねてきた。また、食品安全研修や緊急時に備え警察、消防、医師会などとの連絡体制も構築し万全を期している。

 唐津観光協会は観光客の新たな開拓を目指し、2007年にATA(エリア・ツーリズム・エージェンシー)事業部を設立。旅行業の認可を受け、体験型のプログラムをはじめ、伝統・歴史散策など自然や文化を発信する旅行商品を売り出してきた。参加者に好評だったことから、「自然志向の時代」という確信を持ち、行政のサポートも受けながら都市圏の学校に営業をかけた。

 日常生活とは全く異なる環境での生活体験は貴重だ。地方で生活していれば当たり前のことでも、都会に住む人にとっては、すごく新鮮な驚きがあろう。例えば自然と共存する農業や漁業などを通しての体験。これは都会の子どもたちに不足している分野の一つとの指摘もあり、来年4月に開校する「早稲田佐賀中学・高校」でも、全国から集まる生徒に唐津の農業や水産業などを体験させるプログラムを検討している。

 受け入れ側の民家には、必要以上に構えてほしくない。ここは唐津の恵まれた自然に迎え入れるのと同様に、普段のままの自然体で接してほしい。そのためには地域の魅力を再認識し、受け入れるスタンスを共有しておくことが大事だ。そのうえで各家庭が自分たちの心のもてなしを加えていけばいい。無理は禁物で負担となっては決して長続きしない。

 一方で受け入れ側のメリットも、しっかり認識しておきたい。この事業は農山漁村の交流人口の拡大や地産地消の実践につながるし、経済的にも一人当たり4800円から6400円の受け入れ費用が入ってくる。また、長期的には口コミによる地域の特産品、加工品の販路拡大、リピーターとしての期待感など大きいものがある。

 今回の取り組みは唐津観光の方向性を占う意味でも成果が注目される。できれば先生や生徒の率直な感想を聞き取り、今後に生かしたい。さらにノウハウを蓄積していけば新たな展開も考えられる。そこで行政に求めたいのは、市民の協力を得ながらの取り組み、加えて新しい地域振興につながっていくだけに、今後ともさらなる支援を展開してもらいたい。 (岩崎泰裕)
 
 


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Posted by 昏君 at 19:30│Comments(0)玄海町
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平田義信